JavaScriptを有効にするとメニュー表示されます
  

FT-DX3000で再挑戦

JH0EYA (2013/11/03)

[shack] [FT-DX3000]
 バブル真っ盛りのころに購入した、FT-767GXXというRIGを使ってすでに25年。
 すでにロータリーエンコーダは正常動作せず、あちこちのスイッチやツマミも接点不良。おまけにV/UHFは送信不能。とあってはもう満身創痍。しかも丁度、「頑張れば手が出せる高級機(当社比)」が出ておりましたので心機一転、FT-DX3000を購入しました。で、これを機にアンテナ系と電源系をいろいろと見直して、電波障害対策を行ってみようと思ったわけであります。
 昔(13年前)は、新しい電化製品が家に入る度に電化製品に対して電波障害対策を行う必要があったのでありますが、今回はその轍を踏みたく有りません。果たしてどうなるか。

1:電源系を見直す  
2:アンテナ系を見直す
3:その他      



1:電源系を見直す
 FT-767GXXは電源内蔵だったこともあって、AC電源側には何十年も前に購入したラインフィルタを入れただけでした。しかしこれが非常に心許ない。

 そこで今回はAC側にコモンモードフィルタを入れることにいたしました。 [AC_Line]  FT-240#43を2つ仕入れ、そこにACコードをキャンセル巻きします。その両端に1000pfのコンデンサを取り付けて完成。入れ物は100均ショップで購入した適当なプラケースです(蓋付き)。
 コレと同じタイプのフィルタは発動発電機による移動運用の時にも良い結果を出してますので、ノイズフィルタ、及びコモンモードフィルタとしての効力はあると信じております。 フェライトコアへの巻き数ですが、巻き数が多ければ多いほどHFでの効果があるような記事をネット上でいくつか目にしましたので、巻けるだけ巻いてみました。たしかこれで14ターン有るはずです。
 コイルの両端には端子が付いてます。メンテナンスしやすいようにとの配慮ですが、見事に空中配線。まあ、私の仕事なんてこんなもんです。




[DC_Line] 今回のFT-DX3000は外部電源です。そのため、外部電源とRIGとの間であるDCラインにもノイズフィルタを設置することにしました。このとき、問題になるのは線材です。ACラインはさしたる電流は流れませんが、DCラインは100W送信時に23A流れます。ということは余裕を見ると最低でも25A見ておかないと安心できません。
 通常のACコードでは無理、で、頑張って8sqなどという太いDCコードを購入してきたのですが、そんな太い線をフェライトコアに巻きつけ出来るわけがありません。そんなときに秋葉原のラジオデパート(3F)で、エナメル線が巻かれたフェライトコアを発見しました。説明では30Aまで大丈夫と書かれてあります。 おお、まさに私の欲しいモノにピッタリ。こういうのが見つかるから秋葉原は便利ですよねー。ヲタクの街にならずに、いつまでも電気街として続いて欲しいです。





[DC_Line]


 ま、それはともかく、それを利用して作成したのが右側の写真。例によってケースは100均で購入した蓋付きのケースです。じつはこれ、あんまし拡大してお見せしたくないのです(笑)。余りにも太い線材をハンダ付けしたので、いつにも増して汚いハンダ付けになってます。まあ、素人仕事なのでこんなもんです。しかし、23A流しても発熱している様子はありませんので、きっと大丈夫でしょう。

 以上がメインですが、この他に安定化電源のACライン入り口、および無線機のDCライン入り口に、分割コアを3つずつ入れてコードを何回か巻いてあります。
 以上が電源系の対策となります。



2:アンテナ系を見直す
 根本的なこととして、まずはアンテナを交換しました。
 写真が無くて恐縮ですが、いままではフルサイズのダイポールとか10MHz帯用のツェップとかのワイヤー系と、14,21,28MHz用のマルチバンド垂直ダイポールというものを使ってました。それを全て排除し、ずっと昔に購入して納戸に眠っているコメット製ブロードバンド(3.5〜50MHz)バーチカルアンテナCHA250Bというのを使うことにしました。
 これ、実は移動運用に便利かと買ってみたのですが、見た目の割には飛ばないのでお蔵入りしてました。そんな飛ばないと判っているアンテナを設置する気になったのは
 ・バンド毎のアンテナを用意するのが面倒
 ・水平系じゃなくて垂直系を設置したかった
 というのが主な理由です。一番目の背景には「モノグサ」と「ビンボ」というのがあります。二番目の背景には「豪雪地」と「敷地」いうのがあります。うーん、一言で言うとやっぱり「ビンボ」だからでしょうか。
 そもそも、FT-DX3000にブロードバンドバーチカルアンテナを使うとは何考えてんだ?というご指摘もあるでしょう。スポーツタイプの車を買って、安物のタイヤ履かせるようなものですからね。批判は甘んじて受けます。

 さて、RIGの方ですが、まずはアンテナ端子にローパスフィルターを設置しました。
[LowPass] FT-DX3000にはアンテナ端子が3つ付いてます。1つをバーチカルアンテナCHA250B用とし、もう一つを50MHz八木用に使用することにして、それぞれにローパスフィルタをRIG直結にしました。 ローパスフィルタを買った店でたまたま、両端がオスのコネクタを発見いたしましてこの様なことが出来た次第です。安いのと高いのと2タイプ有りました。安い方は見た目で既に「???」でしたので、頑張って高い方を購入しました。

 フィルタのアンテナ側にはクランプコアをいくつか取り付けてあります。効果の程は未知数ですが、皆さん結構やっておられるので、私も安心感が欲しくて取り付けてます。出力の同軸ケーブルが細い(3D-2V)のでありますが、これは同軸ケーブルが次のコモンモードフィルターに直結しているからなのであります。



 さて、次段はコモンモードフィルターです。
 コモンモードフィルタは、「トロイダルコアで自作する」「円筒形の市販品を購入する」のいずれにするかで悩んでいたのでありますが、ある日突然、「あらあ、円筒形のを自作すればいいじゃない!」とマリーアントワネットがささやいた・・・・訳ではありませんが、恐らくこういう構造では無いかと言うことで予想し、円筒形のを自作することにしました。

[LowPass] スリーブ(円筒形)のフェライトコアを10個用意します。真ん中の穴は8D-FBが楽に通る大きさです。
 このフェライトに3D-2Vを3回ずつ巻いていきます。3回目を通すのがちょっとキツイかもしれませんが頑張ります。これを5個ずつセットにして写真のようにケーブルを通します。フェライトのフェライトの間に結構隙間が有るように思われますが、これ以上間隔を狭くすると作業がとっても辛くなります。結構、作業に時間がかかるかもしれませんが、諦めずに頑張ります。え?それはお前が不器用なだけ? うーん、それも否定しません。

 両端にM型コネクタを取り付ける前に、ケースに入れます。ケースはホームセンタで売っている塩ビパイプです。大きさは・・・大きさは上記のケーブル通したフェライトコアを店に持ち込み、収納できることを確認してから購入したので大きさは忘れました。それと両端処理用の塩ビパイプのフタを用意します。
 塩ビパイプは上水道用と下水道用の二種類があるようですが、近所のホームセンタには上水道用のパイプしか有りませんでした。思うに、上水道用の方が肉厚で値段が高いので、売り上げが上がるからではないかと勘ぐったりいたします。ま、それはそうと両端を処理してコネクタを取り付けると下のようなコモンフィルタが出来上がります。こうすると、市販品よりコネクタ一個分不要になりますので、損失が少なくなるのではと考えたりしたわけです。装着すると、隣の写真のようになります。

[LowPass2][LowPass3]


 装着後の写真に、やたらと「黄色いヒモ」が目立つかと思います。これは、フィルタやその他の部品を上から「吊して」固定しているためです。ケーブルにフェライトコアやらなにやら色々取り付けたので、自重で断線しないかと心配になってこんなことをしています。まあ、後ろなんて誰も見ないからコレで良いんです。すぐ取り外せるし。



3:その他
 その他、無線機に接続しているケーブルにもコアを取り付けています。
 電鍵は入力ジャックの近くに分割コアを取り付け、2回ほどコードを巻き付けてます。
 外部スピーカはトロイダルコア十に数回巻き付けて、スピーカ端子に接続してます。マイクは無線機付属のマイクを使用しており、コレに関しては特に対策を施しておりません。

 またFT-DX3000は、無線機とパソコンをUSBケーブルで接続できるようになっています。以前、無線機とPCを接続することにより電波障害を深刻化させた苦い経験があるのですが、今の時代にPCと接続しない無線機は性能を100%出し切っているとは言えません。そこで、細いUSBケーブルを購入し、このケーブルをフェライトコアに巻き付けてフィルタとしています。なお、出来るだけパソコンと無線機は粗結合にしておきたかったので、接続しているのが現在、このUSBケーブルだけです。

 アースについては悩んだのですが、木造住宅の2階までアース線を引き回すとアース線自体がアンテナになり、電波障害を引き起こしそうな気がしたので、現在はアース処理をしておりません。まあ、500Wとかになるとそうも行かないと思いますけど。

 さて、今までのような対策を施して電波障害は皆無になったかというと・・・・。出ました(苦笑)。デスクトップパソコンに接続しているスピーカが、マイクに向かって送信すると「モゴモゴ」と言います。
 結論から言いますと、悪いのはスピーカではなくてマイクでした。
[MIC]
 ウチのデスクトップPCには様々なアイテムが接続されているのですがそれらを一つずつ外していきながら原因究明してました。で、マイクを取り外すと電波障害が発生しないことが判りました。ちなみにこのマイクは親父の形見で、カラオケ用のダイナミックマイクです。すでに30年モノかと。 SKYPEとかをこれでやると「音が良い」と評判なのでまだ使用しております。
 対策としては、マイクジャックのあたりにパッチンコアを付け、これにマイクコードを2ターンしたら電波障害は収まりました。現在、電波障害として発生したのはこの一件だけです。あとは、あれほどしつこかったインターホンIやアナログテレビへの障害は出てません。(その辺の設備は以前と全く変わっていません。地デジ対応もNTSCテレビに地デジチューナ付加しただけです。(苦笑))

 さて、電波障害は収まりましたが、余りにも一度に多くをやり過ぎた気がします。
 果たして上記の対策は有効であったのか?本当に対策効果があったのはアンテナの交換だけでは無いのか?あるいは無線機を交換したのが本質では無いのか? ちょっとばかり心許ない状況です。 ですが、とにもかくにもこの状態で、マルチバンドには出られるし、CWではそこそこ海外にも飛んでいますので、いまのところ満足した結果となっています。


電波障害対策ページへ戻る

←連絡先はこちら