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FT-60で移動運用
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JH0EYA (2006/05/05)
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FT-60はどこにでもある、144MHz/430MHz帯FMトランシーバです。チョイと他と違うのは、いざとなれば乾電池で5W運用が可能(最近のはほとんど、乾電池運用では100〜300mWしか出ない)ということでしょうか?
あと、リチウムイオン電池採用のハンディ機と比べて、「でかい」とか「重たい」という意見もあります。まあ確かに、「無線をしたくて」持ち歩く無線機ではありますが、「登山がしたくて」持ち歩く無線機じゃないと思いますね。(謎笑)
さて、この無線機もご多分に漏れず、メモリー管理やスキャン切り替えなど、機能が満載です。しかしその操作(設定)は、ファンクションキーを押したりボタンを長押ししたりと、私には面倒くさくてたまりません。
何でもかんでもパソコンに繋げたくなる愛乱度は、これもPC接続して設定出来ないかと知恵を絞ってみましたが、何も出てきません。(^_^ゝ
知恵が出てこないので、ネット上で資料を検索してることにしました。
そしたら、国内の情報は皆無でしたが、海外では本体やオプションと一緒に売られているソフトがありましたので、ちょっと紹介させて頂きます。検索してみますと、無料のソフトと有料のソフトが見つかりました。
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- 1:無料ソフト
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www.kc8unj.comというサイトに行くと、各種ハンディ機のメモリー等の管理ソフトがあります。ここのFT-60Rというのが目的の管理ソフトであります。
このソフトはフリーソフトであり、主な特徴としては
- メモリーチャネルの編集と保存
- メモリーの印刷
- 各種セットモードの設定
- VX-2、VX-5、VX-7、VR-120、IC-R2、IC-Q7からのインポート
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等々、要するにFT-60の設定はほとんど出来るようです。
ソフトウェアはダウンロードしてインストールすればそれで動くと思いますが、FT-60とパソコンを何らかの形で接続しなければ操作できません。
こちらもケーブルアダプタの回路図が掲載されておりまして、6trのと2trのが出てます。この他にMAX232/233シリーズのICを使った回路図も出ております。こっちの方が何となく簡単そうに見えます。(見えるだけ〜(笑))
この通りに制作すればうまくいくのでしょうけど、部品代と制作時の試行錯誤代金(?)を考えると、ケーブルアダプタだけで高く付きそうなので、ちょっと躊躇してしまいました。(アマチュアらしくなくてすみません)
私は挫折しましたが、腕に覚えのある方は是非こちらで挑戦してみて下さい。
- 2:有料ソフト
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有料ソフトはRT Systemsから購入することが出来ます。
私が購入したのは「ADMS-1J 」でして、ソフトウエアと接続ケーブル(RS-232C用)一式です。他にもUSB接続用とか、ソフトウエア単体とかケーブルのみとか様々にチョイスできるようです。本体$39+送料$10でした。田舎ではケーブルを自作してもケース代金とかでこのくらいかかるかもしれませんから、金額的には惜しくない価格です。
国際速達郵便とやらで送付されてきました。注文したのが11月7日で到着したのが11月12日。いやあ、早いの何のって・・・
- 3:有料ソフトのインストールと接続
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セットアップは説明書通りですんなりと進みます。というか、添付のケーブルでRS-232CとFT-60を接続し、CD-ROM(今時珍しいシングルサイズ)をドライブに差し込めばセットアップが起動し、勝手にインストールしてくれます。有償ソフトですから途中でレジスト番号の入力が必要となります。
- 4:動作状況
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動作画面もシンプルであり、大和民族でも直感的にわかります。
まずは、COMポート番号を設定してFT-60からデータを吸い上げると・・・。非常に綺麗な一覧が表示されます。ここまでは素直な状態・・・。
さて、吸い上げたモノを今度は逆にFT-60に返してみましょう。手順通りに実行すると、ありゃ?「ラジオの応答を待っていてタイムアウトになりました」とコキやがります。何度やってもダメ!!
英語が苦手な私なので日本語の資料はないかと探してみましたが何も無し。( ̄△ ̄;
仕方がないので英語のHELPとサイトに行って、辞書と首っ引きで調べてみることにしました。
判ったことはというと
・RIGとPCを接続したら、まずはRIGからデータを受信しなさい
・RIGからの受信が正常に出来ればケーブルは正常である
・PCからRIGに送れないのはCOMポートかPC自体の問題である
と、書かれているような気がしました。(笑)
私が接続していたCOMポートは、RSA-PCI2という増設COMポートです。DOSの頃にCOMポートを変更したら動作した通信ソフトがあったのを思い出したので、マザーボードから直接出ているCOM1ポートに接続してみました。
結果はというと、あっけなく成功。 というわけで、うまくいかないときは本当にCOMポートを変更するか、PCを変えてみるというのは効果がありそうです。
- 5:その他
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今回購入したケーブルを使用すると、www.kc8unj.comに掲載されているフリーソフトも正常動作しました。どちらが使いやすいかというと、やはりお金を出した方のような気がします。(^_^ゝ
FT-60Rという、本来海外仕様のトランシーバをコントロールするソフトなので、日本向け仕様で使用すると誤動作があるのでは?と心配しましたが、特に問題もなく動作しております。 ちなみに、データの移動時間は1分もかかりませんのでいらいらすることはありません。
- 6:感想
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我が家にFT-60は実は3台有るのであります(ニョーボ・子供・私用)。これらをそれぞれがいちいち設定するのも面倒くさいので、クローンケーブルを最初は考えておりました。
でも、そうしたところでどれか一台でチマチマとテンキーを押さなければなりません。
ところが、このソフトを利用すれば、パソコンでメモリ設定やその他の属性を編集して、あとは配布するだけなのでとても簡単です。しかもRIGがリセットされてしまったときのバックアップにもなりますので一石二鳥です。
他のハンディ機(VX-2,VX-5,VX-6,VX-7等)や受信機用のソフトも出回っているようですので、皆様もメモリー管理に如何でしょうか?
■□■ 蛇足ながら ■□■
FT-60には別売りで、乾電池ケースFBA-35(単3乾電池6本仕様)が存在します。
これにアルカリ電池を入れて使用するのは何も問題有りませんが、Ni-MH(ニッケル水素)充電池を使用する場合は問題があります。
どうやら、アルカリ単三電池と比較するとニッケル水素充電池の方が微妙に太いようです。したがって充電池のメーカーによっては、乾電池ケースFBA-35がふくらんでしまい、FT-60本体に収まらない場合があります。
これが顕著なのが、秋月で発売されているニッケル水素電池です。アルカリ電池に比べて太さが太く、6本並べると電池ケースが本体に収まらなくなります。
他メーカーのNiMH充電池もだいたいはアルカリ電池よりは太いようですが、SANYOのエネループは何とか収まりますし、松下のメタハイは比較的すんなりと収まってくれます。
これらの電池の太さを手持ちのノギスで計測したのですが、アルカリ電池を含めてそれぞれ、コンマ数ミリの違いでしか有りませんでした。コンマ数ミリの誤差を許さぬほどコンパクトさを追求した、メーカーの電池ケースをほめるべきなのか、あるいは、融通性のない電池ケースを作ったメーカーを怒るべきなのか・・・・悩むところです。
この太さの問題さえ気を付ければ、FT-60の乾電池ケースでも市販のニッケル水素電池で快適に運用することができます。
また、純正オプションではありませんが「FNB-V67LI」という型番のリチウムイオンバッテリーパックがFT-60でも使用できるようです(ネット上の情報より。私は実物を未確認です)。ですが、非常に高価(FT-60本体価格の50%程度)なので無理してリチウムイオン電池を求めるより、ニッケル水素電池を使い倒した方がよいかと思います。
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