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移動無線車

JH0EYA (2013/09/22)

【小ネタですが・・・】
■ どこでも無線機
■ パソコンでFT-60のメモリ管理をする
■ FT-60のソフトケースを買う
■ FT-897Mでのイタズラ

[mobile4] [mobile2]
 私の自宅はロケーションが悪く、電波の飛びがイマイチ。ですが、周りを見渡せばあちこちに山また山。そういう山に登って見晴らしの良い場所で飛ばす電波は爽快であります。 というわけで、40歳を過ぎてからアマチュア無線の「移動運用」というのをぼちぼちと始めています。
 とはいうものの平素からの運動不足のコノからだ。 重い荷物を背負ってフウフウ言いながら登山道を登って山頂で無線運用なんてのは出来そうもありません。そこで、車で行けるとこまで行って見晴らしの良い場所で無線をすることを主体としております。その車がまた移動運用に向いてない車なんですけどネ。



1:無線機
[FT-897M] 移動に使用している無線機はFT-897という無線機です。ネット上での評判は(デカいだとかフロントパネルが分割できないとかで)悪いのでありますが、私はフロントパネルのデザインが気に入ってます。何だかいかにも無線機という面構えが私の心を捉えたのであります。いや、それよりも昔欲しかったTS-120やTS-130にどことなく似ているのが理由なのかも(笑)。

 オプション品をどこまで買うか悩んだのですが、本体購入時は内蔵バッテリーと充電器それにCWフィルターを購入ました。
 でも、内蔵バッテリーはQRPでの移動運用する方には大変便利なのでお勧めしますが、フルパワーで運用する方は(FT-897Sの場合でも)あえて購入する必要はないと思います。 とはいえ、自作アンテナの調整とかお手軽移動運用の時などは重宝しますので、「有れば便利」という位置づけになりますでしょうか。

 FT897Mの使い勝手ですけど、私みたいなオジサンでも使いこなせるRIGです。ファンクションキーなんか絶対に覚えられないだろうと思ったのですが液晶パネルにガイドが表示されるので何とかなります。ですが、表示されるのは短縮された略語ですので、昔には存在しなかったDSPだとかプログラムスキャンなどというと正直お手上げ状態です(苦笑)。 とはいうものの、移動運用で必要な機能だけを覚えておけば困ることもありません。

 なお、興味のある方は興味のある受信改造ですけど、この無線機もチップ抵抗一個取り去ることにより受信範囲が広がります。しかし、そういう楽しみ方をするのであれば車載型のFM機を購入された方が良いでしょう。その方がうんと安くあがりますしSCANスピードも速いと思います。



2:アンテナ
[mobile1]  最初はダイヤモンド社製のマルチバンド短縮型DP(HFV5)一本で済まそうと考えておりました。
 これなら一本立ち上げれば大抵の周波数(7,14,21,28,50MHz帯)で出られますし移動時の設営も簡単です。実際、メジャーを使って寸法通り組み立てて一度調整しておけば、二回目の組み立て・分解はそれぞれ5分とかかりませんし再現性も抜群です。
 しかし6mや21メガならともかく、7メガとなるとSSBでは50Wで運用してもこのアンテナではきついです。応答が返ってきません。(CWだとそれほどでもないですが)

 しかも7メガのバンド内を30kHz位移動すると同調点の外に出てしまいSWRが無限大近くに悪化します。移動でCWもSSBもやってみようという場合には、QSYの都度アンテナチューナの調整が必要となり、かなりのストレスを感じます。短縮型のアンテナは同調点が狭いと聞いてましたがここまでだとは思いませんでした。全て自動でやってくれるオートマチックアンテナチューナがもてはやされる理由が分かった気がします。

 そこで、7メガだけはフルサイズDPを使うことにいたしました。移動用なので防水とかには気を遣わないで製作したのですが、これですとストレスも感じずとても気分良く飛んでくれます。
 しかし、これも欠点があります。それは給電点以外にも両端を固定する場所が必要だということです。[mobile1]

 ワイヤーアンテナの悲しさはアンテナを固定する場所が多くなるということです。場所によってはガードレール等の強靭な構築物や立ち木などに結ぶことができますが何も無い平坦地ではコンクリートブロックでも持参しない限り固定できません。この辺の事情から移動運用では釣りざおによる垂直アンテナがもてはやされるのだろうと思います。しかし垂直アンテナの場合、良好なアースを要求される等難しいものがありますので、私は今度是非こちらの短縮ダイポールを試してみようと考えています。

 6mは当初上記のマルチバンドDPでやっておりました。このアンテナでも6mは特に問題ありませんがせっかくの移動運用なんだからと思い、HB9CVの4エレビームを取り揃えてみました。市販品ではCOMETとダイヤモンドの二社から同等品が発売されております。どちらを購入するか迷ったのですが、機械的な強度・組み立てやすさを考えるとダイヤモンドのほうが良さそうです。ただしダイヤモンドの製品のほうが若干、重いし長いし高いです。(笑)
 4エレ八木ともなるとブームが結構長いです。二分割できるようにはなっておりますが箱にしまうと1.7m程度有ります。私の愛車であるセダンに搭載できるか不安だったのですが、何とか中に詰め込むことができました。



3:アンテナ支柱
 アンテナポールについても最初は安く上げようと、アルミ製の伸縮ポールを購入したのですが失敗でした。風に弱いんです。上記のマルチバンドDP程度なら大丈夫ですけど、少しの風でもすぐにポールがたわんでしまいますので、八木アンテナ等はちょっと無理です。

[FSP505D] [FTB56L]  そこでネットを検索してみると、皆さん相談したようにジュラルミン製のポールを利用していらっしゃいます。そんなに良いのなら自分も買ってみようと購入しました。地上高は高いほど良いのは分かっているのですが、ここでも車の制約上、短縮したときの長さが一番短いものを選択し、伸長時5m高の製品となりました。これなら縮めた時に1.3mですので車内に格納できます。

 購入したのはフジインダストリー社製のFSP505DというポールとFTB56Lというタイヤベース金具です。詳細は販売店のページをご覧下さい。ボルト貫通型と自動ロックタイプの二種類があるのですが、一人で移動する場合は自動ロックタイプの方が設営・撤収作業が楽です。

 自分で使ってみて、みなさんが絶賛されるのが良く分かりました。アルミ製ポールなどと違って強度が断然違います。フルサイズDPを張るときに思いっきりワイヤを引っ張ってもびくともしませんし、6mの4エレも余裕で風に耐えてくれます。この程度のアンテナであればステーを張る必要は全くありません。自動車で移動する方には断然お勧めいたします。
 タイヤベース金具は大型の物を買いましたが、これが結構重いんです。高さや頂部負荷を考えると標準のタイヤベースで良かったみたいです。タイヤベースは鉄製なので購入後に錆止め塗装したのですが、移動で使用するたびに道路の上で傷つきますので無意味(笑)。使用後のメンテナンス(汚れ落とし)の方が錆止に効果大のようです。
 あと、アンテナ伸縮ポールを撤収するときには、ポールに貼ってある注意書きの通りにしましょう。気を付けないと指をけがする可能性があります。(いや、決して怪我した訳じゃないですけど)



4:電源
 FT897Mはバッテリー内臓(オプション)ですが、その容量は一個当たり4.5AH。これを二個搭載することが出来ます。カタログ上は一個のバッテリーで4時間の運用が可能としておりますが、それはメーカー指定の利用方法の場合でありまして実際にはその半分以下、一〜二時間ぐらいのものでしょう。それも20Wでの運用となります。
 せっかく50W出せる無線機を買ったのですから、50W出せるようにしたいのが人情です。車での移動運用ですから自動車自体のバッテリーを使用する方法もありますが、バッテリー上がりの心配もありますし、かといってエンジンを始動しながら運用するのは好きではありません。
 そこで電源を取り揃える方法としては
    ●発動発電機を購入する
    ●蓄電池を使う
 この二通りが考えられます。
[BATT]  発動発電機(以下「発々」)は、ガソリンさえあれば交流100Vが取り出せますので、停電時や非常時等、無線機以外にも流用できて非常に便利であります。しかし発々はエンジンで動きますから動作時の騒音が気になります。静音タイプもありますが、やはり結構な音がします。静かな山に分け入って騒音を撒き散らすのは避けたいところです。また電気ノイズも馬鹿になりません。
 蓄電池は騒音も発生しませんし有害な排気ガスも発生しませんので「環境に優しい」電源といえましょう。その代わり発電機ほどの長時間運用は無理ですし、使用後には必ず充電する必要があります。

 私は静かさを優先して蓄電池での運用とし、軽自動車用(12V30AH)のバッテリを一個購入してみました。密閉型よりうんと低価格ですし田舎でも簡単に入手できるのがその理由です。
 ところが、バッテリ一個では50W送信時に電圧が低下し、満充電状態でも11V以下に低下してしまいます。さすがは14Aも食うFT-897M。そこで、同じバッテリをもう一個買ってきて直列接続しました。これで24Vです。そうした状態でDC-DCコンバータを使用し、24Vを13.8Vに変換して運用しています。こうすることによって安定した13.8Vを取り出す事が出来、送信時も受信時も電圧変動がありません。コンバータを購入するときに欲を出して、DC-ACインバータの一番安いやつも買いました。この出力にノートPCを接続し、Turbo-HamLogを使おうという魂胆です(しかし電気ノイズがひどくて挫折)

 写真ではバッテリーの周りに白いのがありますが、これは単なるスペーサです(いわゆるプチプチ)。手持ちのケースにぴったり入れるためにこのようにしました。本当は電源周りを一個の箱に収めたかったのですが、ちょうど良いのが無くて写真のように二個に分かれてます。
 DC-DCコンバータはかなり発熱します。初夏の運用でもさわれなくなるくらいの温度となります。コンバータを入れているケースが溶けないか心配になるくらいですので、ジャンクの冷却ファンを放熱器の上に取り付けてブンブンと回しております。
 このくらいの電源で、日帰り運用なら充分通用するようです。ただし、24時間のコンテスト運用などとなると、やはり発々を採用するしかないでしょう。(え?バッテリー4個?重すぎてイヤーん)

 とかなんとか言いながら、結局2012年に発々を買ってしまいました。よろしければこちらの発電機のページもお読み下さい。(2013.09.22Update)



5:その他
 今のところ写真のようなスタイルで移動運用をやっております。直射日光が当たりますのでオペレータはこんがりと焼けてくれます。 しかしRIGまでコンガリとなっては困るので、気休めでしょうけどタオルで直射日光を保護しております。
[RIG1] [PC2]

 現在困っているのがノートPCの画面です。TurboHAMLOGを持って移動するのは良いのですが直射日光の下では殆ど液晶画面の文字が読み取れません(笑)。何か良い方法はないかと現在思案中です。

 FT-897Mには別売りでコンパクトなアンテナチューナも有るのですが、SWRメータやパワーメータが付いて無いのでアンテナ系が正常動作しているのかが確認しづらく不安です。そのため固定で使用していたダイワのアンテナチューナを持ち出してHF運用してます(まあ、買う金が無いというのもありますが)。マルチバンドにクイックQSYというわけにはいきませんが、SWRを確認しながら運用できますので安心感があります。私はどうもオートマチックアンテナチューナというモノが信頼できない性質のようです。

 一般のMobile移動と比べてテーブルやら椅子やらを使用するので大がかりな感じもしますが、一番部品点数の多い6mの八木を使用するときでも設営・撤収にはそれぞれ30分もかかりません。
 これらの機材を全てセダンのトランクに収納するのが私の理想だったのですが、トランク内に既設のCDチェンジャーなる機材が邪魔をしてさすがに全てを入れることはできませんでした。テーブルとRIG本体、そしてノートPCは後部座席に置いて移動します。また、6mの4エレHB9CVはトランクスルー機能(後部座席のアームレスト部分がトランクと貫通する)を使って格納しています。

 FT-897M本体は確かに3キロ程度という軽量コンパクトですが、その性能をフルに生かすにはその10倍以上のペイロードが必要という装備になってしまいました。なんだかなぁ・・・。

 冬はさすがに屋外では運用する元気がありませんので、車内で運用してます。寒くてもエンジンをかけっぱなしにするのはイヤなので、外部バッテリーでの運用であることには変わり有りません。(暑いのは苦手ですが、寒いのは大丈夫)



6:最後に
[mobile3]  アンテナポールがニョキっと突き出して、車両後部では机と椅子が置いてあるわけですから、異常に目立つ運用スタイルです。場所によっては「こんなとこで何してんだゴラァ!!」と言われる可能性があります。なので今のところは
    ●見晴らしの良いところ
    ●自動車の往来がほとんど無いところ
    ●交通の妨げにならないところ
    ●農作業の迷惑にならないところ
で、かつ栃尾市内であることを条件に移動しておりましたが、2005年12月末で栃尾市が無くなってしまいました。
 そこでこれからは、いろいろなところに出かけようと思います。しかし、ショッピングセンターや道の駅の駐車場でこのスタイルでは運用する勇気が私にはありません(笑)。

 あと、移動運用に出かける時は忘れ物に気を付けて下さい。とっても悲しいことになります。私が持っていくのを忘れた代表選手としては。
    ●6mのアンテナ(何をしに行ったんだか)
    ●折りたたみ椅子(ずっと立ってました)
    ●お弁当(空腹で無線どころじゃないです)
    ●RIG(本当です)
アンテナまで設営を完了してRIGが無いことに気づいたときの無念さと言ったらもう・・・。

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