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移動無線車(2)

JH0EYA (2013/09/22)

【小ネタですが・・・】
■ どこでも無線機
■ パソコンでFT-60のメモリ管理をする
■ FT-60のソフトケースを買う
■ FT-897Mでのイタズラ

[EF900iS]
 長年、移動運用の電源として鉛バッテリを使用してきました。運用中に騒音を発生させないのは良いのですが、
     ●FMなどを運用すると、たちまち電圧が下がり始める
     ●出掛ける当日までに満充電にするのが以外と面倒くさい
     ●12V30AH × 2個はかな〜〜り重たいので取扱が大変
 とまあ色々と悩みがあります。あと、満充電して出掛けたにもかかわらず、運用中にバッテリが寿命でへたってしまった事などもあり、バッテリの寿命を読み切るのも結構面倒です。
 そこで、発電機を検討してみることにしました。と、簡単に書きましたが「検討してみる」前にニョーボの目を盗んで軍資金貯めるのに数年もかかったわけですが(笑)。
 あ、発電機にも太陽発電とか風力発電とか色々ありますが、私が検討したのは発動機(エンジン)で発電する「発動機発電機(いわゆる”発々”)」であります。



1:発電機の検討
[Eu9i] 我が家では、エンジンの付いている道具は全てHONDA製品というホンダフリークであります。当然、発電機もホンダ製品を購入するつもりでおりました。Eu9iのデザインを見ただけでもう、ウットリとしてしまいます。(笑)
 カタログを眺めているウチに時代は過ぎ、今度は「エネポ」なるカセットガスボンベを燃料とする発電機まで出てきました。滅多に使わない発電機。長期保存するならカセットガスボンベ製品の方がガソリンの腐食する心配も無く、とても便利です。

 どちらにしようかとカタログでニヤニヤしていたのですが、実際に購入するとなるとだんだんと現実的な問題を考える様になりました。そうなると必然的にHONDAでもないしデザインもイマイチの、YAMAHA EF900isも性能的には候補に挙がって参りました。

【比較検討項目】
比較項目 Eu9i(HONDA) エネポ(HONDA) EF900iS(YAMAHA)
燃料 ガソリン カセットガスボンベ ガソリン
稼動時間 7.1H 2.2H 11.9H
乾燥重量 13.0kg 19.5kg 12.7kg
騒音(3/4負荷時) 83dB(A)/LWA 81dB(A)/LWA 86dB(A)/LWA
RFノイズ対策 フィルタ実装 フィルタ実装 オプション販売
長期保存 ガソリンを抜く カセットを取り外す 燃料コックを閉める
#数値表記はカタログより引用。その他はネット情報。

 とまあ、どれもこれも横並びの性能なのですが、エネポはスタミナ(稼動時間)があまりにもなさ過ぎるのと重たいので却下(製品としては面白そうではありますが)。 そして残る2機種の違いはというと、「長期保存」について注視しました。

 ヤマハのEF900iS は燃料コックとエンジンスイッチは独立してます。一方ホンダのEu9iは燃料コックが独立していません。エンジンスイッチと一緒です。 私の運用スタイルを考えた場合、便利なのはヤマハのEF900iSと判断しました。

 燃料コックとエンジンスイッチが別だと、燃料コックを閉じてもエンジンスイッチを切らないとコックからエンジンの中までに残ってる燃料でしばらく動き続けます。こうすることにより、エンジンが止まった時点ではガソリンがパイプや気化器、エンジンの中に殆ど残りません。
 一方、ホンダのEu9iには燃料コックが独立して存在しません。なので、エンジンを切ると燃料も切れますがガソリンはパイプや気化器に残ったままです。

 ガソリンというものは放置しておくと腐食します。ガソリンが入ったままでエンジンを長期間使わないと、ベトベトの水飴状の物体がパイプや気化器に詰まってしまい、分解掃除しないとエンジンが動作しなくなります。(昔、これで耕耘機を一台ダメにした経験有り)
 ホンダもヤマハもマニュアルでは、発電機を使わないときは燃料タンクからガソリンを抜き、空運転をしてガス欠状態にし、気化器からガソリンを抜くよう記載されています。
 ここまでするのは大変面倒ですが、長期間使わないときは少なくともパイプや気化器などからはガソリンを抜いておきたいところです。 ヤマハの場合は移動運用終了時に燃料コックを閉めて空運転し、ガス欠でエンジンが止まるのを数分待つ事により燃料タンク以外のガソリンをほぼ綺麗にすることが出来るのです。

 いくらアマチュア無線が趣味と言っても、毎月コンスタントに発電機を使用するわけではありません。特に冬などは数ヶ月も放置することになります。そんなときに簡単にガソリンを抜いておける方が便利だなと判断し、ホンダフリークであるにもかかわらず、ヤマハのEF900iSにしてしまいました。



2:EF900iS「騒音」
[EU9iGB] 一番気になっていたのがこの「騒音」です。購入直後に自宅前でチョークを引っ張り、リコイルスタータのロープを引っ張ると発電機が始動しました。その音たるやもう・・・。しかし、エンジンが暖機しチョークを戻してエコノミーコントロールをONにすると、信じられないくらいの静かさになりました。といっても原付(スーパーカブ)のアイドリング位の音はしております。やはりこれは非常時でも無い限り、住宅街での使用は難しいですね。

 原付バイクのアイドリング程度とは言え、静かな山の中で数時間連続してこの音を発生させるわけです。実際これはかなり目立ちます。なので私は使う場所は慎重に選ぶことにしております。家族揃ってハイキングなどというグループが来る可能性の場所では決して使ってはいけないですね。

 ところでこれを書いている現在、ヤマハEF900iSの騒音レベルはカタログによると一番小さい値は48.5db(A)と記載されてあり、ホンダのEu9iは一番小さい値が78dB(A)/LWAと記載されています。
 数字だけ見ればEF900iSの方が断然静かなように見えますが、実はこれ、両者の単位が違います。ヤマハの測定方法は「エコノミーコントロールON時、機測7m、4方向の算術平均値」です。一方ホンダの測定方法は「ISO3744に準ずる試験環境での測定」(発電機全体から出てくる音響パワーレベル)となりますので、両者は比較対象になりません。

 騒音低減対策としては、ホンダをはじめ何社かのメーカーから発電機の騒音を低減させるためのボックスが市販されています。こういうのを使えば騒音は減るのでしょうけど、いずれも発電機がもう一台買えるくらいの価格です。ちょっと手が出ません。まあ騒音低減ボックスとは行かないまでも、雨や雪対策としてのボックスを何とかしなければなあ、と、漠然と今考えております。



3:車内のニオイ
[食パン] 学生の頃クラブ活動で、徒歩による一泊二日の発電機移動運用をしたことがありました。その際に私の与えられた役割は、燃料と食料(といっても3人で左の写真にあるような食パン一本だけ!)をリュックに入れて運ぶ係でした。現地に到着した際、ポリタンクからガソリンの一部が漏れておりリュックの中にはガソリンのニオイが蔓延し、食パンからもガソリンの臭気がしました。想像してみて下さい。ガソリン臭がふんぷんと漂うパン・・・。唯一の食料と判っていてもどうしても食べられず、皆でひもじい思いをしたことを覚えております。

 何が言いたいかと申しますと、発電機を車で運ぶ途中にガソリンが揮発して車内にニオイがこもったらイヤだなあ。という心配が少なからずありました。
 しかしこれは杞憂でした。EF900iSの燃料キャップには外気を遮断するつまみが付いています。エンジン停止時はこのつまみを回せばガソリンタンクは外気と遮断されます。そのため、ガソリンのニオイが車内にこもる心配はほとんど有りません。
 それよりも問題はホームセンターで購入した予備用のガソリンタンクでした。どんなにきっちりと密栓したつもりでも車内に漂うガソリンのニオイ・・・。いわゆる「安かろう悪かろう」ってやつでした。そんな予備タンクですし、本体のタンクだけで日帰りであればガソリンは充分持ちますので、普段は予備タンクを搭載しておりません。

(それ以前にマニュアルによれば、燃料タンクにガソリンを入れたまま運ぶなと書いてあります。すいません、守っていません。)



4:EF900iS「RFノイズ」
 音響騒音もさることながら、もう一つ心配だったのがインバータによる電波の雑音です。ヤマハの場合、ノイズフィルターはオプションですのでそれも同時購入しました。取り付け方法なんですが、これが結構発電機を分解する必要があるみたいでして内燃機関にド素人の私には全く自信がありません。そこで販売店に取り付けて貰うことにしました。後で聞いたら、販売店も結構難渋したとのことでした。

 購入後、何度か移動運用したのですがノイズフィルターが入っている割には、Sメータのノイズが目立ちます。7メガなんかは状況によってはS9という場合も有りました。これはなんとかせにゃならんと思い、移動運用と言うより、ノイズ対策のためだけの移動を何度か行いました。交信は殆ど行わず、Sメータを見ては一喜一憂する移動です。

   試行錯誤の結果、この様なフィルターを作ってみました。制作にはcosyさんの絶大なるアドバイスがあったことを記載しておきます。(御礼)
 2連のトロイダルコアにキャンセル巻きを行います。ココまでは良くある話ですが、これだけでは全くノイズが減りませんでした。そこでcosyさんから、両端に1000pFのコンデンサを入れて見ろとのアドバイスが有り、試してみたところ、30MHz以下はこれでぴたりとノイズが無くなりました。スゴイですねー。

   というわけで、トロイダルコアとコンデンサだけでノイズは止まったのですが、比較用にと購入した市販のノイズフィルタ(ZAC2210-00U)も直列に接続してあります。これらを100円ショップで買った砂糖入れの中に封入。配線は適当に空中配線となっております。市販フィルタと発電機のアースは、トロイダルコア経由で接続するようにしてあります。

   取り付け方法はこんな感じ。発電機の近くに設置します。これで快適なHFでの移動運用を満喫していたのですが、ある日、50MHzで電波を出そうとしたら、全バンドにわたってS9オーバーのノイズが出ていることに気付きました。6mは全滅です。(涙)


 HFは問題ないのに6mだけ出るノイズ、自作したフィルタをどのようにしても効果は出ませんし、発電機の位置を変えても変わりません。まとめてみると、自作フィルタを装着した状態で
  ・発電機に何も接続しないで動作させてもRFノイズは出ない
  ・発電機にコードリールを繋げてもRFノイズは出ない
  ・安定化電源OFFでRIGはバッテリ運用だとノイズは出ない
  ・安定化電源ONでRIGはバッテリ運用でもノイズが出る
 「???」ということで、バッテリー運用のまま、安定化電源を入れたり切ったりすると、ノイズが連動することに気がつきました。「犯人は貴様だったのか!」

   この安定化電源、実は「FP-30A」と言いまして、FT-897の「純正オプション」なのであります。本体筐体に収まるので、高くても持ち運びに便利だからと購入したのですが・・・。まあ既に購入してから二年。当初からそうだったのか、経年変化によるものなのか、今更クレームは付けられませんよねー。

 ということで自宅で追試。
 他の安定化電源に接続して50MHzでのノイズを確認し、FP-30Aに切り替えるとS9レベルのノイズが「シャー」。
 さて、移動運用の為の安定化電源を探しましょうか・・・・
(後日、同じ電源(FP-30A)で同じノイズに悩まされたとメールを戴きました。FT-897純正電源で50MHz帯のノイズに悩まされているのは私だけではないようです。)

 自宅の安定化電源は全てシリーズ式でノイズの心配は皆無なのですが、何せ大きい&重たいので移動には不向き。というわけで、ノイズに若干の不安を覚えながらもスイッチング電源を購入しました。脚立屋さんのDM-330MVです。今のところ3.5MHz以上では問題ありません。



5:その他
 そんなわけで静かさを求めて外部バッテリにしたのに、とうとう発電機を買ってしまったわけです。しばらくはTPOを考えて発電機とバッテリを切り替えての運用にしたいなあと考えております。

 新潟は冬になると辺り一面銀世界になりますので冬の移動運用はあり得ないのですが、正月のQSOパーティーだけは私にとって例外です。今までは寒い中で毛布にくるまって運用してましたが(実は自殺者と間違えられたことも)、今後は発電機を使えば余剰電力で暖房も取れるかしらん? あ、でもFT-897Mは13.8Vで14Aってことは100V電源でどんだけ食うのやら? FT-101Eのときに100W出して4A程度だった記憶が・・・。電鍵と連動して受信時のみ動作する電気暖房を作るとか?(笑)




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