JavaScriptを有効にするとメニュー表示されます
  

どこでもラジオ(どこでも無線機)

JH0EYA (2013/01/04)

 IC-PCR1000やFT-897MやFT-817はRS-232Cを通してパソコンと接続することが出来ます。
 パソコンと接続出来るんだったら、そいつをネットワーク越しに操作することも出来るのではないか?つまり、職場でも出張先でも自宅の受信機や無線機を遠隔操作で使うのが可能ではないか?と、悪巧みを考えたのであります。
 以下は、その悪巧みを(あんまし)お金をかけずに実現する方法の概略手順です。

 ・・・というのを2004年に考えたのですが、2012年末にもう一回、本格的に考えてみました。ただし、今のところ受信だけです。

[接続の概要]


1:パソコンと接続する

 FT-897やFT-817の場合、音声は「KHS ハムのためのPC活用講座」のページを参考にインターフェースを作成します。これをRIGの後ろにあるDATA/IN/OUT端子に接続します。

 これで送信と受信の音声は全てパソコンとのやりとりが可能ですので、FMでもSSBでもSSTVでもPSK31でも何でも出来ます。
 ただし、この接続を行うとパソコンのスピーカ端子とライン入力端子を占有してしまいますので、そのままでは自分の耳でモニタが出来なくなります。なお、送信するつもりの無い方は、このようなコントロールボックスは不要です。音声出力をマイク端子(もしくはライン入力)に接続するだけです。

 無線機のコントロールは、YAESUご自慢のCAT・SYSYTEMコントロール端子がありますので、それとパソコンのCOMポートを接続します。上記コントロールボックスのPTTコントロールとCATコントロールで2つのCOMポートを使用しますが、RS-232CとUSBを変換するアダプタを使用すれば片方をUSBで代用することも可能です。私はCATコントロールをUSB経由で接続しました。


2:コントロールソフト

 FT-897の場合「HAM RADIO DELUXE」がフリーソフトですので便利です。
 このソフトはFT-897だけでなく他の無線機にも利用可能のようです。FT-817の場合は専用ソフトとして「ft817commander」というのがあります。
 これを使用すると本体に記憶してあるメモリーのスキャンも可能になります。

 以上で無線機と直接接続されているパソコンから、送受信も含めた全てのコントロールが可能になります。しかも、ソフトをそろえればPSK31やSSTVといった通信も可能になるのであります。


3:IC-PCR1000の場合

 IC-PCR1000でしたら、FT897やFT817と異なり、既にRS232Cはパソコンに接続されておりますので面倒はありません。あとはIC-PCR1000の音声出力をパソコンの音声入力に接続するだけで接続作業は完了です。


4:家中どこでもラジオ(家中どこでも無線機)

 ここからはIC-PCR1000もFT897もFT817も同じ作業です。
 上記のシステムをどこでもコントロール出来るようにします。
 無線LANで接続されたノートパソコンを用意します。そこにTermViewerをインストールし、無線機が接続されているPCにもTermViewerをインストールします。

 TermViewerはNATやファイヤーウォールが有効な環境でも特別な設定なしで利用できるリモートPC操作ソフトです。特長は、セットアップが容易であること。相手のPCへインストールされた「TeamViewer」のIDとパスワードを教えてもらうだけで相手のPCへ接続できること。しかも、個人が趣味として使う分には無料で使えることです。
 TermViewerのインストールと使用方法は、他のサイトにも沢山判りやすい解説が掲載されていますので割愛させていただきます。

 これで、ノートパソコンから無線機が接続されたパソコンを、リモートで遠隔制御出来るようになります。

 このままでは、無線機やラジオが操作出来るだけで、音声のやりとりが出来ません。このためのもっとも安直な方法として、私はteamviewer の音声チャット機能を使用しています。FM放送は聞くに堪えない音質ですが、AM放送までくらいならそれなりに聞くことが可能です。

 これにより、パソコンに接続されている無線機やラジオは全て家中どこからでも(ノートPCを持ち歩いていれば)送受信できるようになります。寝室で寝ころんでいてもメインCHで呼ばれたのが分かりますし、居間でテレビを見ていても7メガのPSK31をワッチすることが出来ます。周波数変更やモード切替も思いのままというのは気持ちいいです。


5:世界中どこでもラジオ(世界中どこでも無線機)

 家中どこでもラジオが完成すればこのしかけは簡単です。
 Wi-Fi接続可能な道具を用意して、上記のノートパソコンに接続すれば準備完了です。固定IPもルータの設定もファイアウォールの設定も何も考える必要はありません。「TeamViewer」ってすごいです。
 これにより、出先のPCで「TeamViewer」を起動するだけで自宅のラジオ(無線機)を聞くことが出来ます。


■:最後に
・受信ではなく「交信」を目的とする場合は、上記の音声処理では難しいでしょう。
・1台の受信機を複数の人が同時に聞けるかはテストしていません。興味はありますが。
・Wi-Fi経由でも最近の回線ならば、結構なレスポンスで無線機やラジオを操作できました。
 最近の無線機や受信機は小さくなって置き場に困らなくなりましたが、外部アンテナを設置してケーブルを引き込んだ場合、これらの置き場所は固定されてしまいます。
 受信機の設置場所が固定されても、自由な場所で聞きたいという願いからこのようなことを実験してみました。わずかな投資で完成しましたので満足しております。
 これさえあればどこに出張していても、地元の消防無線が楽しめます。(^_^ゝ

   なお、日本では電波法第59条のからみもあって無理かもしれませんが、アメリカではインターネット上で警察無線や消防無線が聞けたりします。
 例えば、Yakima Scanner 'Live'では、ワシントン州警察をはじめ、ヤキマ市警察、市消防やレスキューなどの無線が自動スキャンされ、それをリアルタイムでネット上から聞けるようになってます。PHSの32kbps接続でもちゃんと聞けますので、回線スピードが遅くても大丈夫です。
 法律論はさておき、技術的にはこういう事が出来るようにノウハウを積み重ねたいですねぇ。



FT-897Mに戻るFT-817に戻るIC-PCR1000に戻るトップページへ

←連絡先はこちら
【特定電子メール法に基づく表示】広告メール、迷惑メールの送信はお断りします